功労馬助成金について


 BTCの引退名馬繋養展示事業(現在は公益財団法人ジャパン・スタッドブック・インターナショナルが実施)における助成金が、平成24年より減額されることになりました。
JRA(日本中央競馬会)の重賞レースの勝ち馬は、月額3万円の助成金を受けることができましたが、来年からは月額2万円に減額されることになり、このほどBTCより正式に通達がありました。加えて受給できる年齢に制限が設けられ、14歳に満たない馬は、その年齢に達するまで助成金を受け取ることが出来なくなるとのことです。

 これまでの月額3万円の助成金は、ホーストラストの預託料と同額でした。ホーストラストの預託料を設定するときに、この助成制度があるから3万円に設定したという経緯があります。逆に言えば、預託料を3万円に抑えるにはどうすればいいか、その解答が現在のホーストラストの繋養システムです。

 まず鹿児島の地を選び、年間8ヶ月以上は草地に青草があること。広い草地に昼夜放牧することで、草が減退せずに常に馬が草の上で生活できるようにすること。そして、冬用の牧草を畑で作り、放牧地の草が不足する12月〜4月の飼料とすること(注1)。ホーストラストの繋養システムは、以上3点の自然の恩恵を受けることによって、初めて成立するものです。

 現在約70頭の引退馬が余生を送っており、その内約40頭が自馬で、馬主さんから預託料が支払われます。20頭はスポンサーホースで、1口3,000円を支払う里親さん(トラストスポンサー)に、1頭当たり10口(約10人)のご支援をいただくことにより、預託料を賄っています。残りの10頭が功労馬で、BTCからの助成金を預託料に充ててきました。

 しかし今回の助成金の減額により、功労馬は助成金だけではホーストラストで暮らしていけない状況になります。そこで減額された1万円を補うために、1頭当たり3口の「功労馬スポンサー」を募集することにしました。
 対象となるのは、ハギノリアルキング号、タイキブリザード号、エイシンワシントン号、トーホウレーサー号の4頭です(注2)。いずれの馬も輝かしい競走成績を残した馬ですので、何とか今後の生計が成り立つように、皆様のご理解とご支援をいただくと共に、我々も努力と奉仕の気持ちを持って、当たっていくつもりです。そしてこの馬たちの行く末を、共に見守っていくことができるようになればと、切に願っております。


(注1)鹿児島で最も一般的な牧草のイタリアンライグラスは、9月に播種し12月から収穫します。
    毎年種蒔をする単年草で、1回の播種で年間2〜3回の収穫が出来ます。

(注2)他の6頭の功労馬については、馬主さんを介してホーストラストが預かる形になっています。

平成23年10月23日
マネージャー 小西英司






助成制度の後退による今後の影響について

 ホーストラストでは、今までのように功労馬を無条件に受け取ることが出来なくなりました。今までも去勢の件や入厩のタイミングによっては、全くの無条件という訳ではありませんでしたが、助成金で預託料全額が賄えるかどうかは、皆さんが考える以上に大きな影響が出ます。
 現在助成を受けている馬もさることながら、これから登録申請をしようとする馬については益々狭き門となり、ホーストラストに馬を預けるという前提でのみ考えてみても、以下のような影響が考えられます。


・馬主さんがついている場合
今までは入厩に際しての輸送などの経費を除けば、月々の支払いはありませんでした。それが毎月1万円の支払いが発生するわけですからわけですから、馬を引き取って馬主になるかどうかの判断をするとき、大きなファクターとなります。しかしこのケースでは、まだ影響が小さいと思われます。
・ホーストラストに寄贈される場合
乗馬クラブや種馬場から功労馬を寄贈される場合は、今度新たに設定される14歳という年齢制限はクリアされているケースが多いでしょう。しかし、これまでのように、無条件で受け入れを承諾することは出来なくなりました。少なくとも「功労馬スポンサー」が3人必要になるので、馬を出す乗馬クラブとの条件面での話し合いが必要になってきます。ホーストラストの今後のスタンスとしては、乗馬クラブに引き取りの時間的余裕を提示することで、このケースの馬は出来るだけ受け入れていくつもりです。
 (ハギノリアルキング、タイキブリザード、エイシンワシントンがこの例)
・ホーストラストに寄贈される場合(その2)
競走馬を引退してすぐに、調教師または馬主さんから功労馬を寄贈されるケースです。このケースに該当する馬が、今回の助成金減額の影響をもっとも受けることになります。競走馬が引退する年齢は通常5〜10歳ですから、すぐには助成金の対象とはなりません。14歳に達するまでの間、繁殖にあがるか乗馬クラブで乗馬として供されるか、そういう需要や適正がある馬はいいとして、ない馬については一般の馬とほぼ同じ条件で取り扱われるようになります。
 (トーホウレーサー、スナークレイアースがこのケースの馬)



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